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六章 伝説を終わらせる者 6−1


 ――昔、誰よりも魔女を愛した王がいた。
 彼は、魔女を王国という名の檻に閉じ込めた。
 ――昔、国を愛そうとした優しい王がいた。
 彼はその弱さゆえに、争いの火種を作った。
 ――昔、流血の薔薇と呼ばれた女王がいた。
 彼女は炎のような激しさで、全てを燃やし尽くした。
 ――昔、偽りの王がいた。
 彼は最期まで、その罪を背負い続けた。
 ――昔、望まずして英雄と呼ばれた王がいた。
 彼は戦うことでしか、王であれなかった。
 ――昔、何よりも国を憎んだ王がいた。
 彼は死ぬまで、己から全てを奪った国を許さないと誓った。

 そんな王たちが治めた豊かなローズティア王国は、長い時の流れの中で、少しづつ腐敗し、滅びへと傾いていった。
 人の心の在りようと同じように、王国も時の流れと共に、変わっていった。魔女と王が愛した美しい国は、今はもうない。もはや、この国の民は誰一人として、王を国を信じようとはしない。あるのは、ただ今にも滅びようとする王国だけだ。
 ……約束の日から、何もかもが変わってしまった。変わらないのは、真紅の瞳で王国を行く末を見つめ続ける魔女だけだ。
 最後の王が即位したのは、そんな時代のことである。
 王の名は、イヴァン。
 終焉を迎えようとする王国の中で、腐敗した王宮にあって、それでも国を愛そうとした愚かな……だが、真の王であった男の話を語ろう。とある王国で紡がれた、最後の王と……王国と運命を共にした“王冠の魔女”の物語を。
 醜く、儚く、それでもたったひとつの真実の物語を――


 イヴァン……貴方は、愚かな子ね。
 それが、美しい母の口癖だった。その後にはいつも、「父親にそっくり」と続いた。
 愚かな子ね、と言う時の母が決まって、哀れみと悲しみと愛情と……そして、わずかな蔑みの混じった目で、己の産んだ息子であるイヴァンを見ていた。息子に愚王と呼ばれた男の影を、重ねていたのだろうか。
 幼い時のイヴァンには、愚か、という母の言葉の意味がわからなかった。
 ただ、幼いながらも、それがとても悪いことなのだと思った。
 愚かという言葉の意味がわからずとも、息子を見る母の目がそう言っていた。
 ……イヴァンは、悲しかった。愚かな子だと、母に言われたことがではない。自分の存在の存在が、美しい母を悲しませているのだと思うと、幼い彼は悲しかった。
 だから、そんな時、イヴァンは決まって母の膝にすがりついて、「ごめんなさい。母上」と謝った。自分が愚かな息子だから、母を悲しませているのだと思うと、泣きたくなった。でも、母の白い手が、イヴァンの褐色の髪を優しく撫でてくれたから、涙を流さずにすんだ。
 母は謝ることはないと首を横に振り、それでも、悲しい目でイヴァンを見つめていた。そんな母は、イヴァンが十歳になる前に亡くなった。
 イヴァンは、ローズティア王国の第一王子だ。
 国王である父の名は、グリフィス。
 王妃である母の名は、リリアーヌ。
 父――ローズティアの国王・グリフィスには、他に子はいない。今年、十歳になるイヴァンは、王の血を引く唯一の男児だ。だから、イヴァンは当然のように、次の王位が約束されていた。ローズティアの王冠を受け継ぐ資格があるのは、彼だけなのだから。
 しかし、唯一人の王子でありながら、イヴァンは王城で大事にされてはいなかった。
 ローズティアの王城に仕える者たちは皆、どこか蔑み含んだ目で、イヴァンのことを見る。そうして、陰でささやくのだ。“愚王”である父に似た、愚かな王子――と。
「……イヴァン殿下……イヴァン殿下!聞いていらっしゃいますか?」
 教育係の名を呼ぶ声に、褐色の髪の少年――イヴァンは慌てて顔を上げた。
「あ……う……何?聞いてなかった」
 イヴァンの返事に、王子の教育係である中年の男は、明らかに失望した顔をした。
 今は教育係による、王子の勉学の時間だった。それなのに、肝心のイヴァン殿下が全く話を聞いていなかったのだから、教育係の失望も当然のことかもしれない。
 そんな教育係の顔を見て、イヴァンは恥ずかしさで顔を伏せる。いつもそうだ。決して、周りを失望させたいわけではないのに、自分といると皆、呆れたような……諦めたような目をする。
 亡くなった母上もそうだった。
「今の私の話を、聞いていらっしゃなかったのですか?イヴァン殿下」
「……ごめんなさい」
 教育係の問いかけに、イヴァンは首を縦に振るしかなかった。
 他のことを考えていて、教育係の授業をきちんと聞いていなかったのは事実なのだから、素直に謝るしかない。
「今は、王子の勉学の時間です。それは、おわかりですね?イヴァン殿下……もうすぐ十歳になられるのですから、幼い子供のように人の話を聞かないことなんて、本来はあってはならないのです」
「……うん。ごめんなさい」
 イヴァンは黒茶の瞳を伏せて、小さな声で言った。
 教育係の言う通りだ。もうすぐ十歳になるんだから、人の話はきちんと聞かなくてはいけない。それに、イヴァンは将来、父上と同じようにローズティアの王様になるのだから、しっかりしなくてはいけないのだと自覚している。でも……
 うつむいたイヴァンに、教育係がため息まじりに問いかけた。
「イヴァン殿下。授業も聞かずに、一体、何を考えていらっしゃったのですか?」
 教育係の問いかけに、イヴァンはぎゅっと手を握ると、かすれる声で答える。
「リンが……リンが昨日、死んじゃったんだ。だから、お墓を作ってあげなきゃって」
 王子の言葉に、教育係は怪訝そうな顔をした。
「リンとは?人ではないでしょう?」
「……猫だよ。この前の雨の日、城に迷い込んできたんだ」
 死んでしまった猫のことを思い出し、イヴァンはじわっと黒茶の瞳をうるませた。
 リンは、イヴァンの飼い猫ではない。
 ひどい雨の日に、王城に迷い込んできた野良猫だった。
 泥だらけで、骨と皮だけにガリガリに痩せた灰色の猫だった。おまけに、どこかで怪我をしたのか、後ろ足を引きずっていた――そんな猫が王城に迷い込んできたのを、侍女たちは追い出そうとしたのだが、イヴァンがそれを止めたのだ。自分が世話をするからと、そう言って。
 名前がないのは可哀想だから、リンという名はその時につけた。
 それから数日間、イヴァンは侍女に任せず、自分の手で傷ついた猫の治療をした。怪我をした足に包帯を巻いて、栄養のある餌もあげた。……でも、猫は――リンは日毎に弱っていって、昨日ついに動かなくなった。
 彼が抱いて、城の侍医のところに連れて行っても、猫はピクリとも動かなかった。寿命だと、侍医に言われた。長くは生きられない運命だったのだろう――とも。
 悲しくて、イヴァンは一晩中、泣き続けた。
 それでも、リンは生き返らないと知っている。
 失われた命は、もう二度と、戻ってくることはないのだから。
 だから、せめて墓を作ろうと思った。失われた小さな命のために、自分の手で――
「……野良猫の墓を作ろうしたのですか?イヴァン殿下。王子の貴方が、自分の手で?」
 教育係が呆れたように言う。
「うん」
「馬鹿馬鹿しい……そんなものは、城の兵士にでもやらせれば良いのです。王子である貴方のやることではない。そんな死んだ猫のことを考えている暇があるなら、王となるための勉学に、きちんと励んでいただきたい……良いですね?イヴァン殿下」
 吐き捨てるように言う教育係に、イヴァンはうなずくしかなかった。
「……はい」
 うつむきながらも、素直にうなずいたイヴァンに機嫌を直したのか、教育係は少しだけ表情を緩めて言った。
「イヴァン殿下がそんなに猫が欲しいのでしたら、侍女の誰かに言って、もっと良い猫を連れて来ましょう。ちゃんと躾けられた毛並みの良い、王子に相応しい猫をね……さぁ、授業を続けますよ」
「……」
 イヴァンは教育係の言葉を聞かなかったフリをして、机の上の書物に目を落とした。猫が欲しかったわけじゃない。あの猫に生きてて欲しかったんだという言葉は、喉の奥に飲み込んで。
 ……この城はいつもそうだ。
 何かを失っても、すぐに代わりが用意される。
 だから、何も変わらない――


 教育係による授業が終わってすぐ、イヴァンは城の中庭に行った。
 猫の――リンの墓を作るためだ。
 色とりどりの花の咲く中庭の隅に、墓を作るのに丁度いい場所を見つけると、イヴァンは膝を折って、手で土を掘り穴を作る。そうしていると、彼の小さな手はすぐに汚れて、泥だらけになった。次に、小さな爪の間に土が入って、ずきずきと爪が痛くなる。
 土を掘る道具も何もないのは、ひどく効率が悪い。
 それでも、イヴァンは――愚かな王子と呼ばれる子供は、諦めずに少しづつ、少しづつ……真剣な顔で土を掘り続けた。
 飼い猫でもなんでもない。ただ迷い込んできた猫のために、王子が自分の手で墓を作る。
 それは、彼の教育係や城の者たちから見れば、ひどく愚かな行為であっただろう。無駄なことだと、そんなことをする時間があるなら善き王になるための勉学に励めと、苦々しい声で言ったかもしれない。
 おそらくは、このローズティアの王家の歴史の中でただ一人として、そんなことをした王子はいないだろう。
 それでも、イヴァンにとっては、それは無駄な行為ではなく……勉学と同じように、大切なことだった。
「――イヴァン殿下」
 そうして、黙々と土を掘り続けていたイヴァンに、背中から声がかけられた。
 幼い頃から聞き慣れた声に、イヴァンはパッと顔を輝かせて、その名を呼びながら振り返る。
「……あっ!フィアナ!」
 イヴァンの黒茶の瞳に映ったのは、月の光を集めたような髪に、真紅の瞳を持つ美しい魔女だった。
 五百年以上の長い歳月、年を取らず、また死ぬこともなく、このローズティア王国を見守り続ける、麗しき“王国の魔女”――フィアナ=ローズ。
 その存在は、人から見れば明らかに異端ではあったが、幼い頃から魔女の存在を当たり前のものとして育ったイヴァンが、フィアナを恐れることはなかった。むしろ、幼くして母を亡くし、王宮の者たちから“愚かな王子”と蔑まれる孤独な彼にとって、魔女は唯一の味方といえる存在だ。
 (……フィアナだけは、僕を“愚かな王子”と呼ばない。イヴァン、とそう名を呼んでくれる)
 幼い王子は、母のように姉のように、魔女のことを慕っていた。
「イヴァン殿下……何をなさっていたのですか?手に土が……」
 王子の泥だらけの手を見て、フィアナは首をかしげながら、そう尋ねた。
 その問いかけに、イヴァンはうつむいて、小さな声で答える。
「……リンが死んじゃったんだ。フィアナ」
「リン?あの灰色の猫ですか?」
「うん。拾ったのに、何もしてあげられなかったから、せめてお墓を作ってあげたくて……でも……」
 王子である貴方が、自分の手で死んだ猫の墓を作るなど、馬鹿馬鹿しい。そんな暇があるなら、勉学に励め――という教育係の言葉を思い出し、イヴァンはぎゅっと小さな拳を握り締めた。
 自分は“愚かな王子”だ。それに比べて、教育係は“とても頭の良い”大人だ。だから、きっと教育係の言っていることは正しい。城の誰に尋ねても、きっとそう言われるのだろうと、イヴァンは思った。
 でも、たとえ愚かなことだと言われても、イヴァンはそうしたかったのだ。ほんの少しの時間しか、一緒に過ごせなかったけど、リンはイヴァンの大切な……
 イヴァンはうつむいたまま、「あのね……」とフィアナに話しかけた。
「あのね、僕……さっきも教育係に、リンのお墓を作りたいって、言ったんだ。そうしたら、『馬鹿馬鹿しい。自分の手で、死んだ猫の墓を作るなど……王子のすることでは、ありません』って言われたんだ。フィアナも……教育係と同じように思う?僕は王子だから、自分の手でリンのお墓を作っちゃ駄目なのかなぁ?どうしてなのかな?僕は頭が悪いから、わかんないよ」
 そう言いながら、イヴァンは一度も顔を上げて、フィアナの顔を正面から見れなかった。
 ……怖かったのだ。
 教育係と同じように、リンのお墓を作ることを否定されたらと思うと、イヴァンはどうしてもフィアナの真紅の瞳を見れなかった。
 さっき教育係に言われた時は、まだ我慢ができた。でも、この城で二番目に大好きなフィアナに、馬鹿なことだと呆れられたり嫌われたりしたら、きっと凄く辛い――
 魔女の返事が怖くて、握りしめたイヴァンの拳はかすかに震えていた。
 大丈夫。
 愚かだと失望されたり、呆れられたりすることには慣れている。だから、平気だ。泣いたりなんかしない。
「……」
 イヴァンの問いに、フィアナは答えなかった。
 言葉の代わりに、魔女は幼い王子の褐色の髪に手を伸ばし、ただ黙って王子の頭を撫で続けた。
 そんなフィアナに、イヴァンは黒茶の瞳を丸くする。
「……フィアナ?」
 イヴァンが顔を上げると、赤い宝玉のような瞳と目があった。
 その瞳があまりにも綺麗で、彼は言葉を失う。
「私は……」
 頭を撫でる手を止めずに、フィアナは言った。
「私は、馬鹿馬鹿しいこととは思いません。イヴァン殿下。小さな命を愛おしむのは良いことです。ただ……」
 その後に続く言葉が怖くて、イヴァンは再び顔を伏せる。
 フィアナはそんな王子の手を取ると、ハンカチで彼の手にこびりついた泥をぬぐう。
 不思議そうな顔をするイヴァンに、フィアナは言った。
「ただ……そんな風に手で土を掘っては、爪を痛めてしまいますよ。イヴァン殿下。私が何か道具を持って参ります。そうしたら……一緒にリンの墓を作りましょう」
 そう言って微笑んだフィアナに、イヴァンは泣きそうな顔で……笑った。
 猫が入る小さな墓穴を掘り、亡骸を入れて、また土を埋める。
 魔女と王子の手による、ささやかな埋葬は、空が夕焼けに染まる頃に終わった。
 茜色の空の下、イヴァンは作ったばかりの墓に白い花を供えて、小さな魂が天の御国に迷わずたどり着けますようにと祈った。――さようなら。リン。
「イヴァン殿下。もう夕刻です。そろそろ部屋に戻らないと、侍女たちが心配しますよ」
 沈みかけた夕日を見て、フィアナがイヴァンにそう声をかける。その言葉に、王子は墓に向かって「また来るね。リン」と声をかけ、フィアナの方へと駆け寄った。
 そうして、魔女を見上げて、イヴァンは気になっていたことを尋ねた。この王城で一番、大切な人のことを。
「ねぇ。フィアナ……」
「何でしょうか?イヴァン殿下」
「父上は元気にしている?忙しくて、病気とかしていない?」
 イヴァンの父の身を案じる心からの言葉に、フィアナは何も答えられず、そっと真紅の瞳を伏せた。
 魔女は嘘をつくことが出来ない。だが、この幼い王子に真実を告げることなど、残酷すぎて出来るはずもない。
 フィアナは優しい嘘すらつけない我が身を呪った。
 イヴァンは生まれてから今まで数えられるほどしか、国王である父に――グリフィスに会ったことがない。
 表向きは忙しいからということになっているが、実際のところ、グリフィスが息子に興味を示さなかったからだ。
 腐敗した王国を憎み、またローズティアの滅びを願う愚王グリフィスにとっては宰相の一族や国への復讐こそが全てであり、己の血を分けた息子でさえ愛情を注ごうとはしなかった。
 グリフィスが息子に、王子に与えたものはたった一つだけ、イヴァンという名前だけだ。
 しかし、そんな状況にも関わらず、イヴァンは無邪気に父を慕っている。
 残虐な処刑を繰り返し、民から愚王と呼ばれる父の評判を、知らないわけでもないだろうに。それでも、イヴァンは父のことを愛しているのだ。
 それを愚かと言うことは、フィアナにはどうしても出来ない。だから、彼女は「……ええ」とうなずく。
「ええ。グリフィス陛下は特にお変わりありません。ご病気もなさっていませんよ。イヴァン殿下」
フィアナの返事に、イヴァンはホッと安堵の表情を浮かべた。
「……良かった。父上が元気で」
 そんな王子の表情を見て、魔女は胸がしめつけられるような気分を味わった。イヴァン殿下、貴方はそんな顔をしなくて良いと、フィアナは思う。 
 本当に辛いのは、腐敗した王国の愚王の息子として生まれたせいで、何の咎もないのに愚かな王子と呼ばれて苦しんでいるイヴァン自身なのだ。それなのに、どうして、この王子は父を国を恨まないのだろうか?
 その、愚かとも言えるイヴァンの純粋さを、フィアナは哀れだと……同時に、侵し難い神聖なものだとも思った。だから、魔女は昔レオハルト殿下から贈られた蒼華石の首飾りを握りしめて、彼の末裔である幼い王子に問いかける。
「……イヴァン殿下」
「何?フィアナ」
「イヴァン殿下は、この国の……ローズティア王国のことを愛していますか?」
 幼い王子には難解すぎる問いだと知りつつも、フィアナは問いかけた。
 イヴァンは、何も知らない。
 今、このローズティア王国の内部がどれほど腐敗し、この国で生きる貧しい民が、どれほど悲惨な生活をしているか。
 この国では明日のパンさえ食べられず死ぬ民が、たとえ重い病にかかっても医者の治療も受けれない民が、決して少なくはないうえに、年々その数は増えている。
 そんな苦しむ民たちの憎しみは、やがて何もしないローズティアの王家に向かうであろうことを、フィアナは悟っていた。
 今のままでは、そう遠くない日に、王家はその代償を支払うことになるだろうと――。
「うん。僕はこの国のことが好きだよ」
 この国のことを愛していますか?というフィアナの問いかけに、イヴァンは迷いの無い瞳でうなずいた。その瞳はどこまでも澄んでいて、曇りがない。
「……なぜですか?イヴァン殿下」
 再度のフィアナの問いに、返ってきたのは意外な答えだった。
「だって……このローズティア王国は父上が治めていて、フィアナがずっと何百年も見守ってきた国なんでしょう?だから、僕も好きになるって誓ったんだ。だからね……」
 その後に続けられたイヴァンの言葉を、フィアナは王国の終焉の日まで、決して忘れることがなかった。
「――だからね、いつか僕が王様になったら、みんなが笑顔で幸せに暮らせる国になるといいと思うんだ」

 そうして、それから六年もの歳月が流れる――


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